FMEAの検証シートには、故障モードによる影響を記載する欄がありますが、皆さんの扱っている製品では故障モード1個に対していくつ影響度が記載されていますか?
もしそれが一つずつの場合、影響が漏れている可能性が高いと言えます。
ここでは簡単な例を紹介しますので、考え方の参考にしてもらえればと思います。
消しゴムのケース形状を変更する
一般的な消しゴムのケースを横から見ると、綺麗な長方形になっています。
この形状の場合、使っている時にケースの角が消しゴム本体に強く当たってしまう為、消しゴムの本体が壊れやすくなります。
これを解決する為に、ケースの角を落とす事で消しゴムの破損するリスクを低減する仕様変更をしました。
影響はいくつありますか?
この仕様変更に対してFMEA検証をした際に、影響をいくつ挙げらますか?
当然、変更の目的である消しゴムの破損が考えられます。
この場合、検証項目として耐久性検証をすることになります。
でも他にも以下の様な影響も考えられます。
・加工工程の追加
・ケースの耐久性の低下
・包装の作業性の低下
短時間でもこれぐらいの影響を思いつく事ができます。
本来であればこの影響に対しても検証項目と条件を考えて、検証をしなければなりません。
影響の想定漏れは出戻りの原因となる
先程あげた影響が、量産の準備中に発覚した場合、製造現場の努力でどうにもならない影響については、設計変更をしなければならなくなります。
また、影響の中には機能・性能・生技性だけでなく、コストや売価等の直接的に収益に関わる内容もあります。
こう言った内容もFMEAの中で扱う事で、未然に出戻り作業を防止することになります。