皆さんが所属している企業はISO9001や14001の認証は取得されていますか?
もし取得されている場合、なぜこんな面倒くさい文書や記録を作成して、管理・運用をしなければならないのか疑問に思った事はないでしょうか?
ここではISO認証のメリットと、認証を必ずしも必要としない業態について考えてみます。
メリット:企業同士の手間を省く
企業同士の取引は顧客と取引先という関係となります。
その際に、取引先の会社としての能力を評価する必要があります。
例えば、資本金、従業員数、財務状況のみならず、供給能力、品質への取り組み、経営陣のリーダーシップ、開発能力等々です。
こう言った内容を取引先毎に調査や監査する事は、顧客にとっても取引先にとっても大変手間となります。
そこで、ある一定の要件を達成した際に認証を受けられる「ISO」を取得する事で、「この認証を受けているのであれば、この項目の調査・監査はいらないよね」となります。
メリット:標準化を促す
過去の日本の場合、一つの会社に定年まで勤めるのがスタンダードな働き方でした。
しかし、近年は転職をして自分の市場価値を上げる働き方に本当に少しずつですが変化しています。また、海外ではこの働き方がスタンダードです。
従業員のIN / OUTが多い場合、その人しかできない仕事があると、企業活動が滞ってしまう状況になります。この状況に対応する為に「標準化」や「ノウハウ化」という言葉が生まれてきました。
そして、ISO認証を受ける為の要求事項の多くには、「文書化する」という記述があります。
この文書化というものが、「標準化」に該当します。
補足:ISOの文書化=技術の標準化とは限らない
ISOの文書化の対象となっているのは、その企業で業務する際のフローや手順がほとんどです。
その為、開発業務で言えば、評価のフローや検討ツールの運用方法であり、新機構や新技術を生み出す為の考え方のフローではないわけです。
認証が不要な業態
例え納入先が限られた製品を取り扱う企業は、ISOの認証が必要となる可能性は低いです。理由は前述した通り、多くの企業とお付き合いする可能性が低い為です。
また、ワンオフ製品を取り扱う企業も同様です。こちらの場合は製品に対して標準化する内容が少ない為です。
ISO認証は必要なのか?
結局は企業の考え方によります。
今の顧客との取引だけで生きていくと決めているのであれば必要とは言えません。
逆に今以上に顧客を開拓していくつもりがあるのであれば、必要と言えるでしょう。