製造業も共通言語はお金

製品の企画や工程設計、不具合の対応などを行う際に、うまく議論が噛み合わない時が多くあります。
これはそれぞれの部門で扱う目標が同じ単位ではないからです。
開発では性能〇〇% UP、生産技術ではCT△△[s] 改善、調達部門では調達コストxx[¥]改善、品質であれば不良率◻︎◻︎%以下等です。
この様に比較する単位が異なりますから、提案内容の優劣をつける事が難しくなります。
そこで、単位を揃える為にコストに変換し比較する事が推奨されます。

変換の難易度は?

調達品や設備投資、直材費や管理費等、初めからお金で語れるものは良いですが、前述の通りそうでないものも数多くあります。
比較的変換しやすいもので言えば、テストや検証工数、報告資料の作成工数などの時間です。
かかる工数に賃率をかければお金に変換できます。
難しいものでいうと、製品SPECや納入不具合、リコールなどの顧客や市場、社会に与えるポジティブ・ネガティブな影響です。

変換が難しいものはどうすればいい?

まず何が比較の対象になるかを確定させなければなりません。
実は、お金への変換が難しいのではなく、この対象を調査して選ぶ事が一番難しいです。
主な対象は、業界の動向や他社を含む過去のリコールの影響です。
一般的にエンジニアと呼ばれる人には難しい内容かもしれません。
しかし、今の時代、こう言った情報は多少のコストを払えば、専門の企業が提供してくれます。
最初の「情報を入手する」段階で躓いている事で、こういった解析を諦めている方が多いです。
是非外部の企業を活用することをためらわないでください。
項目さえ決まってしまえば、技術的な項目についてはそれにまつわる設備費用、設計・検証工数、その他工数から算出できますので、そこまで苦労する事はないと思います。

DA表ではだめなの?

DA表は単位が異なるものを無次元化して比較するツールです。
また、重要だと思うものに係数をかけて、重み付けをすることもあります。
しかし、重要だと思うものは人それぞれであり、適当に係数をいじることもできるので、いわゆる出来レースになる事が非常に多いです。
その為、DA表の項目まで埋めたら、無次元化や重み付けは第三者に依頼することをお勧めします。

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